なぜLinuxではSlackが特に重く感じられるのか
公式Slackアプリはすべてのプラットフォームで同じElectronアーキテクチャを使用しており、OSに関わらずChromiumエンジン一式を同梱しています。詳細はこちらで解説していますが、短くまとめると:Slackを開くことは2番目のChromeを開くことです。この基本コストはWindowsやmacOSでも存在しますが、Linux上ではより顕著に感じられます。
LinuxユーザーはメモリをセーブするためにOSを選んでいることが多く、古いハードウェアや制限されたマシンで使っているケースも多いです。またhtopを実行して実際のメモリ消費を確認する習慣があるため、サイレントに受け入れられることなく問題として認識されます。さらにLinuxにはmacOSのような積極的なメモリ圧縮機構がないため、オーバーヘッドをより直接的に受けます。
メモリ使用量の全体像
以下は1ワークスペースにログインし5分間アイドル状態で測定した値です:
| クライアント | 起動時 RAM | 1時間後 RAM | デスクトップUI | 機能の充実度 |
|---|---|---|---|---|
| 公式 Slack | 400 MB – 1 GB | 1 – 2 GB+ | あり | 完全 |
| CrabChat(Tauri) | 200–300 MB | 300–400 MB | あり | 完全 |
| ブラウザタブ(Chrome) | 180–220 MB | 200–280 MB | 一部 | 約90% |
| ブラウザタブ(Firefox) | 140–180 MB | 160–240 MB | 一部 | 約90% |
| msga | ~60 MB | ~80 MB | あり | 主要機能 |
| slk(TUI) | <20 MB | <20 MB | ターミナルのみ | 約25% |
ブラウザタブの結果は多くの方にとって意外かもしれません。ChromeやFirefoxがすでに起動している場合、Slackのタブを追加するとそのタブのレンダラープロセス分のメモリが増えるだけで、2番目のブラウザを起動する必要はありません。サブワークスペースや頻繁に確認しないワークスペースには、専用クライアントを検討する前にまずブラウザタブが現実的な選択肢です。
各段階で何を犠牲にするか
ブラウザタブ vs. デスクトップアプリ
主にOS統合の問題です。システムトレイアイコンがなく、デスクトップ通知の信頼性が低く(ブラウザの通知許可に依存し、タブがバックグラウンドになると見逃すことがある)、他のアプリからのslack://ディープリンクが機能しません。メインワークスペースとして全メッセージを確認する必要がある場合はこれらが問題になります。たまにしか確認しないサブワークスペースなら問題になりません。
msga vs. 公式アプリ
msgaはコアのコミュニケーション機能を完全にカバーしています。メッセージング、チャンネル・DM、スレッド、検索、ファイル共有、絵文字リアクション。現時点でないのはハドル(常時接続の音声スペース)と一部の高度なアプリ統合です。業務でハドルや特定のボットを使う場合、その場面では公式クライアントが必要です。
テキストコミュニケーションを主に使うチームにとって、msgaは日常業務に必要な機能をすべてカバーしています。他の選択肢の詳細はLinux向けSlackクライアントの比較をご覧ください。
ターミナルクライアント
slkなどのTUIクライアントは20 MB未満と真に軽量ですが、機能の欠落も大きいです。画像・リッチフォーマット・ファイルプレビュー・音声ビデオはありません。ターミナルで完結し、テキストの読み書きだけできれば十分という限られたユーザー向けです。
実用的な判断基準
Linuxでメモリを気にするなら、判断はシンプルです:
- ハドルや高度な統合が必要 → 公式アプリを使い、メモリ削減のヒントで使用量を抑える。
- 主にメッセージングで使う → msgaが最適解。フルデスクトップUIで、メモリは公式の10分の1以下。
- たまにしか確認しないサブワークスペース → セットアップ不要でメモリ効率の良いブラウザタブが現実的。
- ターミナルで生活している → 機能の制限を理解した上でslkを検討。